数年前までは猫を放し飼いにしている家庭も多く、自由に家を出入りしている光景を目にすることがありました。しかし、ここ数年で猫との暮らし方は大きく変わり、室内飼いがおすすめされるようになっています。それでも、家に閉じ込めるのは猫にとってストレスになるのでは……と不安に思う方も多いでしょう。
今回は、猫を室内飼いするメリットや放し飼いが危険な理由などについて詳しく解説します。猫をどのように飼えばいいのか悩んでいる方は、ぜひ最後までチェックしてください!
猫は放し飼いより室内飼いにするべき?
猫を飼うときは放し飼いではなく、室内飼いにしましょう。猫がずっと外を眺めていると、外に出してあげたくなるかもしれませんが、家の外にはさまざまな危険があります。
また、猫は縄張り意識が強く、完全室内飼いにすれば家の中が縄張りになります。他の猫や動物が縄張りに入ってくることもないため、ストレスなく生活することができるのです。
そして、環境省や日本動物愛護協会も、室内飼いをおすすめしています。猫がいつまでも元気で安全に過ごせる環境を用意するのは、飼い主の義務です。自由に行動できないのはかわいそう……という自分の意見だけでなく、猫の命にしっかりと責任を持って考えましょう。
猫を室内飼いするメリット

安全な環境で生活できる
猫を室内飼いするメリットは、猫が安全な環境で生活できることです。猫を室内飼いすれば、交通事故や野良猫との喧嘩でケガをすることもなく、感染症などにかかるリスクも低くなります。
また、猫を室内飼いにすれば外で有害なものを食べてしまう可能性も低く、体調管理もしやすいです。放し飼いにしていると、猫がどこで何をしているのかわからないため、もし猫の体調に異変があった場合に原因がわからないという事態になってしまいます。
猫の安全を確保することは飼い主の義務なので、室内飼いにするメリットは大きいといえるでしょう。
猫にとって最適な室温を保てる
猫の祖先は砂漠地帯に生息していたため、猫は比較的暑さに強い動物といわれています。しかし、猫は人間よりも汗腺が少なく、汗をかいて体温調節をするのが苦手です。また、寒さには強くないため、冬場はあたたかい場所で体温を上げる必要があります。
猫を室内飼いにすれば、エアコンで室温を一定に保つことができるので、気温の変化にも対応できます。猫にとって最適な室温は26~28℃といわれているため、飼い主がお出かけしている時もエアコンは切らないようにしましょう。
元気に長生きできる
猫の平均寿命は約15年といわれていますが、猫によっては20年以上生きることも。これは、キャットフードの質が上がったことや医療技術の進歩などが要因といわれています。一方、野良猫の平均寿命は約3~5年といわれており、その差は歴然。野生の環境では、常にさまざまな危険にさらされるため、厳しい結果となっています。
猫を室内飼いにすれば、安全な部屋で栄養価の高いご飯を食べることができ、体調の異変にもすぐに気づくことができます。愛猫にいつまでも元気で長生きしてほしいと考えるなら、放し飼いではなく室内飼いにするほうが良いでしょう。
猫の放し飼いが危険な理由

交通事故に遭う可能性がある
猫の放し飼いが危険な理由として、交通事故に遭う可能性があります。交通量の多い都会はもちろん、地方でも交通事故に遭うリスクがゼロとは言えません。猫を放し飼いにしていたことで、道路や線路に飛び出してしまったという事故が多くあります。
また、動いている車だけでなく、停まっている車も危険です。車のエンジンルームは狭くてあたたかいため、猫が好んで入ってしまうことがあります。猫がいることに気づかないまま発進してしまい、愛猫をひいてしまったという事故も……。
猫を放し飼いにするのは、このような取り返しのつかない事故につながる危険があることを覚えておいてください。
病気や感染症のリスクが高い
猫を放し飼いにすることで、病気や感染症にかかるリスクが高くなります。野生の猫は病原菌を持っていることもあり、野生の猫と喧嘩をしたときにケガや感染症にかかることがあるのです。
また、放し飼いにするとノミやダニに寄生される可能性もあります。ノミやダニは、猫だけでなく人間や他のペットにうつってしまうことも。猫を放し飼いにすると、命に関わる病気やケガをしてしまうおそれがあることを理解しておきましょう。
迷子になってしまう可能性がある
猫は帰巣本能という習性があるため、基本的には自分の家に帰ってきます。しかし、いくら帰巣本能があったとしても、必ず家に帰ってこられるとは言い切れません。そのため、放し飼いにしたことで迷子になってしまい、行方不明になってしまうこともあるのです。
特に、マンションに住んでいる場合はマンションの場所までは帰れたとしても、自分の家が何階なのかまではわからないことが多いです。猫が迷子になると、近くの住民にも迷惑をかけてしまうことがあるので注意しましょう。
誘拐や虐待を受けるかもしれない
猫を放し飼いにしていると、飼い主の目が届かないところで愛猫が誘拐されることがあります。もし誘拐されてしまうと虐待を受ける可能性もありますし、どんなひどい対応をされるかわかりません。
誘拐や虐待などを受けてしまうと、猫はトラウマになって人間不信になってしまうでしょう。愛猫にこのような辛い思いを絶対にさせないためにも、室内飼いをおすすめします。
室内飼いよりも平均寿命が短い
一般社団法人ペットフード協会が発表している資料を確認すると、室内飼いの猫の平均寿命は16.22歳でした。一方、放し飼いの猫は13.75歳となっており、放し飼いは平均寿命が短いという結果になっています。
愛猫と少しでも長く幸せに暮らしたいと考えるなら、やはり室内飼いにするべきといえるでしょう。
室内飼いするために猫が喜ぶ部屋作りをしよう

上下運動ができるようにキャットタワーを設置
猫は放し飼いではなく室内飼いすることをおすすめしますが、室内飼いにもデメリットはあります。それは、猫が運動不足になりがちという点です。猫は高い場所が好きなので、日頃からジャンプなどの上下運動をするのですが、室内では運動量が落ちてしまいます。
そこで、猫が上下運動をして運動不足解消につながるように、キャットタワーを設置してあげましょう。例えば、こちらのキャットタワーは45cm×45cmの省スペースで設置でき、ハンモックや隠れ家ハウスなど、さまざまなギミックがついています。おもちゃや寝床もたくさんあるので、多頭飼いの家庭にもおすすめです。
食事とトイレは離れた場所にする
猫の食事場所は、できる限りトイレから離れた場所につくるようにしてください。猫も人間と同じように、トイレの近くでは食欲がなくなってしまいます。
また、トイレをする時は無防備になるため、猫は本能的に緊張しやすくなってしまいます。そのため、トイレは部屋の隅などの落ち着く場所につくってあげましょう。
猫がリラックスできるスペースをつくる
猫は高い場所や狭くて暗い場所にくわえて、日当たりの良い窓際などを好みます。猫がくつろいでいることが多い場所には、ベッドやクッションを置いてリラックスできるようにしてあげましょう。
こちらの猫用クッションは、猫がつい入りたくなってしまう袋型のデザインになっています。狭くて暗い場所が好きな猫にとって、中に入れるタイプのクッションは気に入ってもらえる可能性が高いです。洗濯機で丸洗いでき、抗菌・防臭・防ダニ加工もされているので、いつでも清潔に使える商品となっています。
猫の放し飼いはNG!室内で安全に暮らそう
今回は、猫を室内飼いするメリットや放し飼いが危険な理由などについて紹介しました。猫の気持ちを考えると、家の中に閉じ込めてしまうのはかわいそう……という意見もありますが、放し飼いにはデメリットのほうが多いです。また、たとえ放し飼いをしても、猫は基本的に縄張りの中でしか行動しません。猫を室内飼いにすれば家の中が縄張りになりますし、猫の安全を考えるのは飼い主の義務です。
愛猫といつまでも幸せな生活を送るために、安心して生活できる環境を整えてあげてくださいね。

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