「保護猫を飼うなら完全室内飼いが良い」と言われる理由とは?国の指針として決まっているって本当なの?

保護猫を飼うとき、外飼いにするか、完全室内飼いにするか…
猫を家の中に閉じ込めておくのはかわいそう?それとも外のたくさんの危険にさらすほうがかわいそう?

実際におすすめされるのは「完全室内飼い」ですが、その理由は何でしょうか?
今回の記事では、「保護猫を飼うなら完全室内飼い」が良いと言われる理由や、完全室内飼いをするにあたってのポイントなどを詳しく解説していきます!

完全室内飼いとは

完全室内飼いというのは、ペット、特に猫を家の中だけで飼う方法のこと。猫が外に出るのを完全に防ぐわけで、これにはいくつか大きな理由があります。

まず交通事故のリスクを減らしたり、他の動物との争いや感染症から猫を守ることができます。さらに、外にいる猫が環境に与える影響、例えば野鳥への捕食圧を減らすこともできます。

完全室内飼いをする時は、猫が退屈しないように、適切な運動や娯楽を提供することが大切。おもちゃで遊ばせたり、キャットタワーや窓辺の棚を設置してあげたりするといいですね♪
これで、猫が室内で活動的に過ごせるし、外の世界を安全に楽しむことができます。

つまり、完全室内飼いは猫を色んなリスクから守りつつ、健康で幸せに長生きさせるための一つの方法としてすごく有効!

保護猫を飼う場合の「完全室内飼い」は国の指針

実は、国が定めている「家庭動物等の飼養及び保管に関する基準(第5 猫の飼養及び保管に関する基準)」には、「猫の室内飼育に努めること」と明記されています。

保護猫を飼う場合の譲渡条件に「完全室内飼いを選択すること」と定めてあるのは、保護猫団体やボランティアの方針ではなく、国の指針であることを知っておきましょう!

譲渡会などでも、「猫を家の中に閉じ込めるのはかわいそうなのではないか」などといった、一見、猫に寄り添ったような意見を見かけますが…
それは、本当に猫にとって幸せなのでしょうか?

実際は、安全な室内で生活する方が猫にとっては健康的かつ、猫は縄張りを大事にする動物だから、家の中で暮らすことは彼らの本能的にもGood!

完全室内飼いのメリット・デメリット

保護猫を家に迎えたら、完全室内飼いっていうのは本当に大切なことです。なぜでしょうか?それは色んな危険から猫ちゃんを守れるため。では、どんなメリットがあるのか、見てみましょう。

①交通事故の危険を避けることができる。
外を自由に歩かせると、車にひかれるリスクが段違いに高くなります。家の中で飼うということは、そういった危険の心配がありません。

②ご近所に迷惑をかけるトラブルが起こりにくくなる。
猫が外でうろうろすると、花壇を掘り返したり、他の家のペットと喧嘩したり、よそのお家の庭で排泄してしまうことも。これが原因で近所トラブルに発展することもあります。

③感染症などの病気にかかるリスクが少なくなる。
外に出ると、野良猫や他の動物と接触することで、病気をもらってしまうことがあります。でも室内なら、そのリスクを大幅に減らすこともできます。

④思いがけない加害や虐待の被害に遭わないように
他者からの虐待などの被害に遭いにくくなることも重要。残念ながら、猫が外で人に意地悪されることもあります。思いがけないトラブルは飼い主の知らぬところで発生するものです。その危険から大事な大事な猫ちゃんを守ってあげるのも大事なことです。

ただし、完全室内飼いにはデメリットもあります。飼い主が遊んであげないと猫が退屈しやすいなんてことも。猫も運動が必要だし、刺激も大切。だから、キャットタワーやおもちゃを使って、しっかりと遊んであげることが大事です。それによって、猫の健康も保てて、ストレスの解消にもなります!

保護猫を迎えるなら、これらのことをよく考えて、猫ちゃんが快適に、そして安全に暮らせるようにしてあげてましょう♪

保護猫を完全室内飼いする時のポイント

おうちで保護猫を飼うのは、細かい配慮が必要だけど、ちゃんとした準備をすれば、猫もあなたも幸せな生活をおくれます。じゃあ、どんなことを意識したらいいのか、一緒に見てみましょう!

不妊または去勢の手術を行う

猫を飼う上でまず大切なのが、不妊または去勢手術をすること。これは、猫が無計画に増えるのを防ぐだけじゃなく、マーキングや夜鳴きといった行動を減らす効果もあります。さらに、特定の健康問題を予防することもできるから、ぜひ手術を検討してくださいね。

窓の外を眺められるような場所を用意する

猫は好奇心旺盛で、外の世界に興味津々。窓辺にキャットベッドを置いたり、棚を設置して、安全に外の景色を楽しめるスペースを作ってあげましょう。ただし、窓は猫が開けられないようにしっかりとロックしておくことも忘れずに!

高いところに登れる場所を準備しておく

猫は高い場所から周囲を見下ろすのが大好き。キャットタワーや壁に取りつける棚などを設置して、安全に登れる「見晴らしのいい」スポットを提供してあげて。これが猫のストレス解消に!

水と食事を常に提供できるようにしておく

猫は水分をあまり摂取しない傾向にあるから、いつでも新鮮な水が飲めるように水入れを複数設置しましょう。また、食事は定期的に与えて、特にドライフードとウェットフードのバランスを考えるといいでしょう!

トイレを清潔に保てるようにする

トイレは猫がストレスなく使える清潔な環境を整えて。トイレ箱は猫の数+1以上用意し、定期的に砂を交換して、消臭効果も考慮しましょう。清潔なトイレは猫の健康を守る基本。少々高額にはなるけれど、自動トイレを活用するとトイレ管理が格段に便利になります!

爪研ぎができる場所を複数用意する

家具を傷つけるのを防ぐためにも、爪とぎ用のポストやマットをいくつか置いておくこと。これによって猫は自然に爪のお手入れができます。

おもちゃで定期的に遊んであげる

猫も遊びが大好き。猫じゃらしやレーザーポインター、ねずみ型のおもちゃなどで一緒に遊ぶ時間を作って、猫の運動不足を防ぎながら、コミュニケーションをとる良いチャンスに。

留守番をさせる時は退屈しないように配慮する

長時間家を空けるときは、猫が退屈しないように、おもちゃやパズルフィーダーを用意して!留守番中も猫が活動的に過ごせるようにしましょう!

完全室内飼いでも身元表示は忘れずに

もしものために、猫には首輪に名前や連絡先が書かれたタグをつけておくこと。万が一の脱走時にも、早期に見つけ出せるようにするため。

これらを実践すれば、猫もあなたも快適に過ごせるはず。大切な家族の一員として、最高のケアを!

保護猫を完全室内飼いするのは「外に出さないのも愛情」だから

ここまで説明してきた通り、保護猫を完全室内飼いするのは、ただ単純に”外に出さない”だけじゃなく、大事な命を守る本当の愛情表現です。

外の世界には危険がたくさんあるから、猫を守るために家の中で大事に飼うことが、彼らが幸せで健康的に長生きできる秘訣でもあります。

2019年の日本ペットフード協会による調査結果によると、完全室内飼いの猫の平均寿命は15.95歳。

それが、外飼いの猫の場合は13.20歳となっており、完全室内飼いの猫の方が、2歳ほど寿命が長いことがわかりデータとしても一目瞭然。

だから、猫にとって最高の環境を用意して、たくさんの愛情を注ぎながら、共に幸せな時間を過ごしていきましょう。それが、私たちができる最も大切な役割なのです。