猫がいる空間に近づくと咳やくしゃみが止まらなくなる場合、猫アレルギーの可能性があります。猫が大好きなのに、猫アレルギーが原因で飼うことができないと切ないですよね。また、これまで猫アレルギーの症状がなかった方のなかには、猫を家に迎え入れてから発症してしまった……というケースも。
今回は、猫アレルギーについての基礎知識や、猫アレルギーの症状を抑えるための対策などについて解説します。猫アレルギーについて正しい知識を身につけ、症状を抑えながら猫と関われる方法を見つけていきましょう。
猫アレルギーとは
猫アレルギーとは、猫のフケや被毛、おしっこや唾液などに含まれる物質によってアレルギー症状が発生する病気です。ペットアレルギーの一種で、成人の5人に1人は猫アレルギーが発症するといわれています。
また、遺伝性疾患ではなく、猫を飼っている家庭を訪れたり、猫がいる空間にいたりすると発症することがあります。猫アレルギーが発症した場合、ネコ科の動物全般に対してアレルギー反応が出てしまうため注意が必要です。
猫アレルギーの症状
猫アレルギーの症状には個人差があり、環境などによって症状の重さも変わります。猫に近づいたり、猫が暮らしている空間に入ったりした際に、以下のような症状が出た場合は猫アレルギーかもしれません。
- くしゃみ・鼻水
- 咳
- のどの痛み・かゆみ
- 息苦しく感じる
- 吐き気
- 肌の赤み・かゆみ・腫れ
- 目のかゆみ・充血
花粉症などの症状に似ていますが、重症化すると喘息やアナフィラキシーショックを引き起こし、最悪の場合は命にかかわることも……。猫の近くにいる時にこのような症状が出る場合は、病院でアレルギー検査をしてみることをおすすめします
猫アレルギーの原因

猫アレルギーの主な原因は、猫の唾液や被毛などに含まれているFel d1(フェル ディ ワン)という物質です。アレルギーの原因となる物質のことをアレルゲンといい、猫のアレルゲンを吸い込んだり、皮膚に触れたりすると、身体から取り除こうとしてアレルギー反応が起きます。
Fel d1はとても細かい粒子で、乾燥すると空気中を浮遊します。また、カーテンや衣服などの布製品に付着しやすいため、その空間に猫がいなかったとしても猫アレルギーの症状が発生する場合があるのです。
なお、猫アレルギーを疑って検査をしてみたら、他のアレルギーだったというケースも。東京都福祉保健局が調査した「住居とアレルギー疾患『住居に起因するアレルギー疾患』」によると、アレルギーの原因について以下の統計が発表されました。
- 花粉:71.9%
- ハウスダスト:37.9%
- ダニ:15.2%
- 猫などのペット:10.4%
このように、花粉やハウスダストが原因の場合もあるため、アレルギー反応が出た場合は検査してみると良いでしょう。
猫アレルギーの対策はある?
部屋を清潔に保つ
猫アレルギーは、猫のフケや被毛に含まれるアレルゲンによって引き起こされます。そのため、部屋をこまめに掃除して猫のフケや被毛などが落ちていないようにすることがポイント。床や家具だけでなく、天井や壁にもアレルゲンは付着するので、常に清潔な状態にしておきましょう。
また、衣服や猫が使っている毛布などの布製品にアレルゲンがつきやすいので、こまめに洗濯することが大切です。
定期的にブラッシングやシャンプーをする

猫は1日に何度も毛づくろいをするため、猫の被毛には唾液がついています。被毛がたくさん落ちないように、日頃からブラッシングやシャンプーをして猫からアレルゲンを取り除いておきましょう。ブラッシングやシャンプーで不要な毛を取り除くことができれば、アレルゲンが空気中に飛散することも防ぐことができます。
なお、こちらの猫用ブラシはワンプッシュで除毛できるためブラッシングが簡単です。ヘアクリーナーがついているので手入れも楽で、短毛種から長毛種まで幅広い猫に使うことができます。針の先端が丸くなっているので、ブラッシングが苦手な猫もマッサージ感覚で受けてくれるかもしれません。

こまめに換気する

猫アレルギーのアレルゲンは、とても細かい粒子で空気中に漂っています。アレルゲンを吸い込まないように、こまめに換気することが大切です。
なお、こちらの商品のようなHEPAフィルターがついている空気清浄機を使うのもおすすめ。HEPAフィルターは、Feld 1などの微細な粒子もキャッチしてくれるので、猫アレルギーの症状を緩和できる可能性があります。猫アレルギーの方は、空気清浄機の購入も検討してみてください。
手洗い・うがいを必ず行う
猫に触れたり、猫がいる空間で過ごしたりすると、身体にアレルゲンがついたままになってしまいます。アレルゲンがついていると、その場を離れても猫アレルギーの症状が出てしまうため、手洗い・うがいは徹底しましょう。
猫と居住スペースを分ける
猫と暮らし始めてから猫アレルギーになった方は、猫が生活する部屋と自室を分けるなどの対策が必要です。一緒に暮らしている場合、アレルゲンを完全に避けるのは難しいですが、猫が自室に入れないような工夫をすることで、症状を緩和できる場合があります。
ただし、猫がいる部屋に入った後にそのまま自室に入ってしまうと、アレルゲンも持ち込むことになります。猫と触れ合った後は、手洗い・うがいや着替えを行って、アレルゲンの飛散を予防するようにしましょう。
布製品はあまり使わないようにする
猫アレルギーのアレルゲンは、カーテンや衣類などの布製品に付着しやすいです。ラグやカーペットを敷いている場合は、アレルゲンが含まれている猫の被毛がつきやすいため注意しましょう。
また、ソファなどの家具も、布製よりレザー製のほうがアレルゲンの付着を抑えられるためおすすめです。
短毛種の猫を選ぶ
猫アレルギーの方のなかには、猫が大好きなのでどうしても飼いたいと考えている方もいるのではないでしょうか。猫アレルギーが発症しない描種はいませんが、短毛種や毛が生えていないへアレスキャットを選べば、猫アレルギーの原因となる抜け毛の量は少なくなります。
猫アレルギーを完全に抑えることはできませんが、どうしても猫を飼いたい場合は検討してみてください。

猫アレルギーは完全に治る?
結論、猫アレルギーの治療法は確立されていないので、現状は完治することが難しいです。そのため、できる限り猫に近づかないことが一番有効な対策となっています。しかし、既に猫と一緒に暮らしている方の場合、完全に猫と居住スペースを分けることはできないため、症状を緩和させるための治療を行うことになります。
猫アレルギーの治療では、くしゃみやかゆみなどの症状をやわらげる抗ヒスタミン薬や、咳や息苦しさに効果がある喘息治療薬などを使います。猫アレルギーの症状は人によって違うので、異変を感じた場合はできる限り早くアレルギー検査を受診しましょう。
猫アレルギーの検査費用
猫アレルギーの疑いがある方や、これから猫を飼いたくて猫アレルギーではないことを確認したいという方は、猫アレルギーの検査を受けましょう。猫アレルギーの検査費用は病院によっても異なりますが、基本的には3,000~4,000円程度です。また、猫アレルギーだけでなく、花粉やハウスダストなど39種類のアレルギーをセットで検査する場合、7,000円程度の費用がかかります。
猫アレルギーかもしれないとモヤモヤしている方はアレルギー検査を受け、もし猫アレルギーだった場合は医師に対処法を相談しましょう。
猫アレルギーの根本治療は難しいが対策はできる
今回は、猫アレルギーについての基礎知識や効果的な対策などについて解説しました。猫アレルギーは成人の5人に1人は発症するため、珍しい病気ではありません。まだ治療法が確立されていないため、猫を飼いたいのに飼えないと切ない思いをしている方も多いでしょう。
猫アレルギーの完治はできなくても、症状を抑えることはできます。ぜひ本記事で紹介した対処法を実践して、猫との上手な付き合い方を見つけくださいね!

猫を三匹飼育しており、猫が大好きな管理人がコミュニティサイト「ネコメタルシティ」を立ち上げました。
運営スタッフのほとんどが猫を飼育中、または飼育経験があります。
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