猫を飼うということは、自分が猫の命に責任を持つということ。大好きな猫との暮らしは今まで以上の幸せをもたらしてくれますが、時には大変なことやトラブルに巻き込まれることもあります。猫を飼う前に思っていた理想の生活と違う……ということにならないよう、猫を飼う前にしっかりと心構えや知識を身につけることが大切です。
今回は、猫の終生飼育を全うするために、飼い主に必要な条件や心構えについて解説します。これから猫を飼いたいと考えている方は、最後までしっかり確認しておきましょう。
猫の終生飼育とは
終生飼育とは、猫と最期のお別れをするまで責任を持って飼育することです。猫を家族の一員として迎え入れるということは、その猫の命を自分が預かるということであり、終生飼育は飼い主の義務です。
また、終生飼育とは単に猫を飼い続けることではなく、猫の一生を通じて健やかで幸せな生活を提供することです。猫の平均寿命は15年程度といわれており、時には病気やケガをしてしまうこともあるでしょう。猫が生涯を安心して過ごせるように、飼い主は適切なケアや愛情を与えてあげる必要があります。
なお、改正動物愛護管理法という法律のなかで、猫の終生飼育は飼い主の義務であることが定められました。猫を飼う場合は、最後まで愛情と責任を持って育てるようにしましょう。
猫の終生飼育をするために飼い主に必要な条件

猫の世話をする体力や時間はあるか
猫を家族の一員として迎え入れるのなら、飼い主は猫の世話をするために時間をつくらなければなりません。フードや飲み水の準備にくわえて、ブラッシングやトイレ掃除、病気やケガをした場合は動物病院に連れていくなど、やらなければならないことがたくさんあります。
仕事や家庭などがある状況で、これらの世話をしっかりできる体力や時間はあるのか、猫を飼う前にしっかり考えることが大切です。猫を飼いたい方は、長期的な視点で検討するようにしましょう。
猫を飼える物件に住んでいるか
猫を飼うためには、猫の飼育が許可されている物件に住んでいなければなりません。賃貸の場合、ペット飼育がNGな物件が多いため、引っ越し先を探す際はペットの飼育が許可されているか必ず確認してください。
また、猫が快適に生活するためには、部屋作りも大切なポイント。キャットタワーやベッドを設置して、猫が安心してくつろげるスペースを確保してあげましょう。ベランダや窓から転落したり、玄関から脱走したりしないように安全対策も忘れないでください。
猫アレルギーの心配はないか
猫を飼う前に、自分や家族に猫アレルギーの人がいないか確認することが大切です。猫に近づいた時に、くしゃみや目のかゆみ、咳や息苦しさを感じる場合は猫アレルギーの可能性があります。猫アレルギーの有無を確認するためにアレルギー検査を受けたり、可能であれば猫を預かってみたりするなどの方法を試してみると良いでしょう。
なお、当初は猫アレルギーの症状がなかったとしても、猫と暮らしているうちに発症するケースもあります。猫アレルギーは成人の5人に1人が発症するといわれているため、猫を飼う前に医師に相談したうえで検討するようにしましょう。
家族全員が猫を迎え入れることに賛成しているか
猫を家族としてお迎えするときは、家族全員が賛成しているかも重要なポイント。家族の誰かが猫を嫌ったり恐れたりしていると、猫にとってもストレスの原因になります。
また、猫の平均寿命は15年といわれており、15年の間に家族構成や環境が変わることもあるでしょう。どのような状況になったとしても、家族全員でしっかり猫の終生飼育ができるのか、よく話し合ってみてください。
猫の生涯にかかる費用を用意できるか
猫を飼うにはフードや日用品、光熱費や医療費など、さまざまな費用がかかります。猫の生涯にかかる費用は家庭によっても異なりますが、少なくとも200万円程度は必要です。人間と同じようにワクチンなどの予防接種も必要ですし、手術が必要になった場合は高額な費用を用意しなければなりません。
猫を迎え入れるということは、経済的な負担も大きくなるのです。十分な費用を用意できなければ、猫が安心して暮らせる環境の用意やケアをしてあげることはできません。猫の終生飼育には、決して安くない費用がかかることを理解しておきましょう。
転勤などで環境が変わっても飼育できるか
飼い主の転勤や引っ越しなど、環境の変化があっても猫を飼い続けられるかを考えることも大切なポイント。猫は環境の変化に敏感で、ストレスを感じやすい動物です。引っ越し先でペットの飼育が許可されている物件を探す必要がありますし、引っ越しでストレスを抱えた猫のフォローもしてあげなければなりません。
猫を飼う時に想定していなかったことが起こったとしても、猫の終生飼育ができるのか真剣に考えましょう。
高齢になった猫も介護できるか

猫の健康管理をしっかりと行えば、平均寿命以上に長生きしてくれることもあるでしょう。しかし、老描になると認知症や視力・聴力の低下にくわえて慢性疾患の悪化など、さまざまな問題が発生することがあります。
猫を飼う際は、将来介護が必要になった場合のことも考え、時間や経済的な準備のほか、介護に必要な知識なども身につけておくことが大切です。
もし終生飼育ができなくなった場合の対処法も考えて
事故や病気などのさまざまな事情によって、猫を飼えなくなった場合の対処法を考えておくのも飼い主の責任。家族や友人に猫の飼育を任せられるのか、信頼できる保護団体や里親は見つけられるかなど、自分に万が一のことがあった場合でも猫が幸せに暮らせるプランを考えておきましょう。
猫を終生飼育する覚悟があるか
ここまで、猫を終生飼育するために飼い主に必要なさまざまな条件を紹介しました。猫との生活には幸せなことがたくさんある一方で、病気やトラブルなどの試練に直面することもあるでしょう。これらを乗り越える覚悟がなければ、猫の終生飼育をすることはできません。
猫の命を預かるということを真剣に受け止め、最後の瞬間まで猫をきちんと飼育する覚悟があるのかしっかり考えてみてください。
猫を終生飼育するために室内飼いや去勢・避妊手術も検討

室内飼いで安全に暮らそう
猫を飼っている方のなかには、猫を家に閉じ込めておくのがかわいそうという理由で、外を自由に行動させている方もいます。しかし、外に出れば交通事故に遭ったり、野生の猫に伝染病をうつされたりするなど、さまざまな危険があるのです。
猫が安全に暮らすためには、脱走・落下防止フェンスなどを設置して完全室内飼いにすることをおすすめします。
去勢・避妊手術
環境省の統計によると、年間で5万6,000匹以上の犬や猫が殺処分されています。さらに、そのうちの8割が猫で、その6割が子猫となっているため、年間で約2万7,000匹以上もの子猫が殺処分されている計算に。このような状況を防ぐには、猫が望まない妊娠をしないように対処することが大切です。
計画的な妊娠の予定がない場合は、生後6か月頃を目安に去勢・避妊手術を受けることをおすすめします。去勢・避妊手術をすれば、健康面にも良い影響があることが証明されているため、平均寿命も長くなっています。猫を飼う際は、動物病院で去勢・避妊手術のことも相談してみてください。
猫を迎え入れるなら終生飼育は大前提として考えよう
今回は、猫を終生飼育するために飼い主に必要な条件などについて解説しました。猫の飼い主にとって終生飼育は当然の義務であり、最後までその責任を果たさなければなりません。中途半端な覚悟で飼ってしまうと、猫に辛い思いをさせてしまいます。本記事で紹介した条件や心構えについてしっかり確認したうえで、猫を飼うかどうかを真剣に検討してみてください。

猫を三匹飼育しており、猫が大好きな管理人がコミュニティサイト「ネコメタルシティ」を立ち上げました。
運営スタッフのほとんどが猫を飼育中、または飼育経験があります。
猫とのHAPPYな生活のためのエンタメコンテンツやお役立ち情報を紹介しています。